年に一度の健康診断だった。
初めて胃部内視鏡検査をした。
口からは辛いと聞くので、鼻からで予約していた。
鼻から麻酔を流し込み、いざ検査となった。
お医者にどっちの鼻が良さそうか聞かれて「左の方が通ってる気がします」と答えた。
お医者が左の鼻に内視鏡を入れようとしたが入っていかなかった。
私は左と言ったが、左右を間違えていて右のことだったので「すみません。右でした。右の方が通ってます」と追加で言った。
お医者が右の鼻に内視鏡を入れた。左のときと同様、途中でなにかに遮られ入っていかなかった。
お医者は、片方の鼻の穴に2つ通路があるという説明をしながら、4回ほど鼻の通路に内視鏡を通すよう試みたがすぐに諦めた。
これ以上通そうとすると鼻から出血すると言っていた。
鼻の穴は、通ったり通らなかったり、数分で結構変わるので、鼻からの内視鏡ができない鼻であると決まったわけではないという話があり、今日はやめておくか?それとも口からやるか?と聞かれた。
もう胃の泡を消す謎の水をのみ、鼻から麻酔を二回流し込み、検査台に左半身を下にして横になっている状況である。もう終わらせちゃいたい。「口からやります」と答えた。
看護師さんの指示で起き上がり、マスクをはずし、のどにシュッシュと麻酔をスプレーされた。鼻の時とは違い、麻酔の効果を待つことなくすぐに検査するようで、プラスチックの真ん中に穴のあいたサルグツワのようなものをとりつけられた。そして、すぐさま横になった。体感、一瞬の出来事。
お医者が口から内視鏡を入れる。
目の前に撮影画像の見れる小さいディスプレイが置かれていたのだけれど、辛くて目をつぶってしまうし、そもそも眼鏡を外しているので、自分の内臓の内側がピンクっぽいということしかわからなかった。
辛かった。目からはドンドン涙が流れるし、口からは唾液が流れていく。
看護師さんは背中を優しくさすってくれた。呼吸をゆっくりするようにと声掛けもしてくれたので、背中をさすってくれるのに合わせて呼吸をするようにした。
お医者は胃に空気が入ると見やすいので、空気を入れるようにという説明を非常に穏やかで滑らかな口調で数回繰り返していた。
私はそれを聞いて、深呼吸することで胃に空気を取り込もうと努力した。冷静な今考えると、深呼吸したときの空気って胃に入るの?肺じゃない?空気の流れってどうなってる?
事前に看護師さんから、ゲップをしたくなったら顎をひいて我慢しろといわれていたことを思い出し、顎を引いたりした。ただ、ゲップをしたいと思う余裕は全くなく、胃にカメラが入っている異物感がひどく、辛く、涙、涙だった。
もう二度とやりたくない。
終わった直後、涙とよだれで左の顔がべちゃべちゃの状態で、お医者から小さいポリープがあるがよくあることなので経過観察で問題ない旨の説明があった。
左頬のべちゃべちゃをティッシュで拭いたら、髪の毛まで濡れていて、私はこの数分でどれだけの唾液と涙を出したのかと困惑した。正直、そっちに気を取られていて、お医者の説明はちゃんと聞けていない可能性がある。話の途中で眼鏡をかけたら、お医者は優しそうな顔をしていた。
看護師さんは2人がかりでベッドを勢いよく拭いていた。申し訳なし。
もう二度とやりたくない。
でも、ポリープがあったし、二年に一度くらいはやった方がいいのだろうか。
ピロリ菌の検査も申し込んだのだが、それは血液検査なので後日結果がくる。
お医者にピロリはどうだった?って聞いたら、見た感じピロリな所見はない的なことを言っていた。でも、検査するのは良いと思うみたいな感じだった。
おわり。