関東ではもう梅の花が咲いているそうだ。
梅の花=関東という印象がある。
今は昔、東京で働いていたとき、職場の古い建物(有名な人が設計したらしく、言われてみると威厳があったかもしれない)の正面入り口には、左右に1本ずつ梅の木が植えてあった。
正月休み明けに出勤したら、梅がもうほころんでいて、え?!もう?と思った覚えがある。
左右のどちらかが白い梅で、どっちかが赤と白の梅だった気がする。なにか意味があるのだろうか。
左側には金木犀の大きな木があった。
北国育ちの私にとって、金木犀は身近に生えていない木だ。歌詞やお話には頻繁に出てくるけれど、嗅いだことはない伝説の「金木犀の香り」。
秋には、なるほどなるほどこういうもんね、と関東人の顔でその下を歩いた。
子供の頃の思い出と結びつかないその香りは、歌詞に出てくるようなノスタルジックさを纏ってはいなかった。
けれど、私はその木の下を通るたびに脳内で「赤黄色の金木犀」を再生したので、今嗅いだらその日々を思い出して、そういう気分になるかもしれない。
金木犀が満開の頃、雨の後には、ぼそぼそした感じの黄色いものが道に沢山落ちていた。私の描写力のなさ今ここに極まれり。記憶が曖昧。写真見て描写しよう。
十字キーの形の落ち着いた濃いオレンジ色の花が、雨に濡れた黒いアスファルトの上、一面にぼろぼろと落ちていた。
咲いている時はきれいそうに見えるけれど、落下するとあまりきれいには見えないなぁと思った。
距離の問題かもしれない。
何事も遠くから見るときれいに見える。はに丸もそう言っていた。はに丸は富士山に対してそう言っていた。
はに丸とは:おーい!はに丸
描写できてる? 建物の描写もしてみよう。飽きてきたので手短に。
その建物は戦前からあるらしい。
二階建てで、横に長い。長方形。真ん中に入り口がある。左右対称。
玄関には二階の窓を覆う高さの三角形の屋根がついていた。屋根の頂上には、金木犀の花みたいな昔の水道の蛇口みたいな形で、蛇口の真ん中の軸の部分にドングリをつけたような飾り。シュッとしてなくてボコッとしてる。石で出来ていたと思う。
屋根のある部分の二階の窓は屋根に邪魔されて三角形になっていた。三角形の窓。
玄関の屋根の下は尖塔アーチになっている。アーチの内側の上の方には錆びた金属の飾り(カクカクしたおしゃれな左右対称の迷路みたいなの)がついていた。壁には蔦。
描写、難しい。
今、写真を検索して書いたのに、全然伝わらない気がする。
伝わる伝わらないの他に、三島由紀夫の描写は、読んでいて華やかで優美、目の触りが良くてゴージャスだけれど、
私の描写ときたら、そこらへんにあるものをかき集めただけ。ごちゃごちゃ。
写真を見て書いたところで。
統一感? 流れ? 何を書きたいかが見えていないから?
難しいですな〜。
疲れたのでやめる。またやろう。今度は私の1番好きな花の描写をしたいと思う。
終わり